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  • 空き家は早めに考える

    ここまで、

    空き家とは何か。

    特定空家等とは何か。

    放置するとどうなるのか。

    税金や相続の問題。

    そして、

    今からできる対策について見てきました。

    最後にお伝えしたいのは、

    とてもシンプルなことです。

    空き家問題は、早く考え始めた人ほど困りにくい。

    私はそう思います。

    放置すると選択肢は少なくなる

    空き家を、

    「とりあえずそのまま」

    にしていると、

    時間とともに選択肢は少しずつ減っていきます。

    建物は老朽化する。

    管理の手間や費用が増える。

    近隣との関係が難しくなる。

    行政から連絡が入る。

    そして、

    急いで売却や解体を考えなければならなくなることもあります。

    何もしていないつもりでも、

    時間は確実に過ぎていきます。

    早く動くと自分のペースで決められる

    一方で、

    早めに考え始めた人には、

    まだ余裕があります。

    管理を続ける。

    売却する。

    賃貸に出す。

    解体する。

    それぞれの選択肢を、

    落ち着いて比較することができます。

    何を選ぶかも大切ですが、

    自分のペースで決められる

    ことが、

    実は一番大きな違いなのかもしれません。

    正解を探しすぎない

    空き家の問題で、

    動けなくなる人は少なくありません。

    理由の一つは、

    「正解を探そうとする」

    ことです。

    でも、

    空き家との向き合い方に、

    唯一の正解はありません。

    今は管理だけ続ける。

    数年後に売却を考える。

    家族と相談しながら決める。

    そんな結論でも十分です。

    大切なのは、

    何も決めていない状態から抜け出すこと

    だと思います。

    今できることを一つだけ

    もし、

    実家や相続した空き家があるなら、

    今日、

    一つだけでも動いてみてください。

    建物の様子を確認する。

    家族に連絡してみる。

    登記を調べてみる。

    役所や専門家に相談してみる。

    どんな小さなことでも構いません。

    動き始めれば、

    空き家は、

    漠然とした不安ではなく、

    対処できる課題に変わっていきます。

    空き家は「問題」ではなく「課題」

    空き家は、

    放置すれば問題になります。

    しかし、

    向き合えば、

    整理できる課題でもあります。

    法律は、

    人を罰するためだけのものではありません。

    危険や混乱を防ぎ、

    地域の暮らしを守るための仕組みです。

    その仕組みが動き出す前に、

    自分で選べる余地を残しておく。

    それが、

    空き家と一番うまく付き合う方法なのだと思います。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

    noteはこちら


    特定空き家法律ガイド

  • 特定空家になる前にできること

    特定空家等の問題は、

    ある日突然起こるものではありません。

    多くの場合、

    少しずつ管理が行き届かなくなり、

    気がついたときには、

    対応が難しくなっているものです。

    では、

    何から始めればいいのでしょうか。

    今回は、

    今すぐできて、

    できるだけ負担の少ない対策を紹介します。

    完璧な管理を目指さない

    まず大切なのは、

    完璧を目指さないことです。

    行政が見ているのは、

    新築のようにきれいかどうかではありません。

    放置されていないか

    という点です。

    たとえば、

    • 年に数回、草を刈る
    • 台風のあとに様子を見に行く
    • 壊れかけた箇所を応急的に直す

    これだけでも十分意味があります。

    誰かが気にかけている。

    誰かが管理している。

    そう見えることが大切なのです。

    人の気配を残す

    空き家が問題になりやすいのは、

    誰も関わっていないように見えるときです。

    そこで、

    • 郵便物を定期的に確認する
    • 雨戸や窓をきちんと閉める
    • 管理者や管理会社の連絡先を、必要に応じて分かるようにしておく

    といった工夫も効果があります。

    人の気配があるだけで、

    不法侵入やゴミの投棄、

    放火などのリスクを下げることにつながります。

    無理なら外部に頼る

    遠方に住んでいる。

    仕事や家庭の事情で動けない。

    そんな場合は、

    無理をする必要はありません。

    • 草刈り
    • 見回り
    • 簡単な清掃

    こうした作業だけでも、

    管理会社や地元の業者に依頼できます。

    すべてを任せる必要はありません。

    できない部分だけ、

    外部の力を借りる。

    それも立派な管理方法です。

    売る、貸す、解体するを考える

    管理を続けるのが難しいなら、

    今後どうするのかを考える時期かもしれません。

    • 売却する
    • 賃貸に出す
    • 解体して更地にする

    どれを選ぶかは、

    人それぞれです。

    大切なのは、

    今すぐ結論を出すことではありません。

    選択肢を整理しておくこと

    です。

    「いつか考える」

    ではなく、

    「まだ決めていないけれど、考え始めている」

    その状態になるだけでも、

    状況は大きく変わります。

    行政から連絡が来たら放置しない

    これは、

    ぜひ覚えておいてほしいことです。

    • 手紙を放置しない
    • 電話を無視しない
    • 現地確認の相談に応じる

    行政からの連絡は、

    問題が大きくなる前に、

    対応を促すサインと考えた方がよいでしょう。

    早い段階で話を聞き、

    できることを考える。

    それだけでも、

    勧告や命令へ進む可能性を下げられることがあります。

    小さく動くことが一番の対策

    特定空家等を避けるために、

    特別なことをする必要はありません。

    少し草を刈る。

    一度、様子を見に行く。

    家族で話し合う。

    誰かに相談する。

    そのどれか一つでも、

    「何もしない状態」から抜け出せば、

    それは前進です。

    完璧を目指して動けなくなるより、

    小さくても動き続ける。

    それが、

    空き家問題を長引かせない、

    一番現実的な対策なのだと思います。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

    noteはこちら


    特定空き家法律ガイド

  • 相続登記しなくても責任はある?

    空き家の相談で、

    とてもよく聞く言葉があります。

    「相続した覚えがないんですが……」

    「名義も変えていないし、自分の家という感覚がなくて」

    しかし、

    空き家の問題では、

    そう思っているかどうか

    と、

    法律上の責任があるかどうか

    は別問題です。

    今回は、

    相続と空き家の関係で、

    多くの人が誤解しやすいポイントを整理します。

    相続は登記をしたかどうかで決まらない

    まず大前提として、

    相続は登記をしたかどうかに関係なく発生します。

    親が亡くなり、

    遺言がなく、

    相続放棄もしなければ、

    法律上、

    相続人は権利と義務を引き継ぎます。

    つまり、

    • 名義が親のまま
    • 相続登記をしていない

    という状態でも、

    空き家の管理について、

    相続人として責任を負う可能性があります。

    遠方に住んでいても責任はなくならない

    よくあるのが、

    • 実家から遠くに住んでいる
    • 一度も住んだことがない
    • 管理に関わっていない

    というケースです。

    気持ちとしては理解できます。

    しかし、

    法律上の責任が軽くなるわけではありません。

    空き家が危険な状態になれば、

    行政は、

    実際に住んでいる人ではなく、

    所有者や相続人に連絡を取ろうとします。

    兄弟姉妹で相続した場合

    相続人が複数いる場合、

    空き家は共有になることが多くあります。

    このとき、

    • 誰も主導して管理しない
    • 「兄がやると思っていた」
    • 「話し合いが進まない」

    という状態になりがちです。

    しかし、

    共有であっても、

    管理の問題は共有者全員に関わってきます。

    誰も動かないまま時間だけが過ぎる。

    それが、

    空き家問題を難しくしている原因の一つです。

    相続放棄をすれば終わりではない?

    相続放棄をすれば、

    原則として相続人ではなくなります。

    ただし、

    注意したい点があります。

    相続放棄をした人でも、

    放棄した時点でその財産を現に占有している場合には、

    次の管理者などに引き渡すまで、

    財産を保存する義務を負うことがあります。

    たとえば、亡くなった親と同居していた家にそのまま住んでいる場合や、鍵を持って定期的に管理している場合などは、注意が必要です。

    つまり、

    相続放棄をしたからといって、

    すべてのケースで、

    すぐに何の責任もなくなるわけではありません。

    相続人が分からない空き家も多い

    相続登記がされていない空き家では、

    • 相続人が誰か分からない
    • 連絡先が分からない

    という状態も珍しくありません。

    しかし、

    行政は放置できないため、

    戸籍をたどって相続人を調査し、

    判明した相続人に連絡を取ることになります。

    つまり、

    「何もしなければ、そのまま」

    というわけではないのです。

    誰が管理するのかを決める

    相続した空き家で一番つらいのは、

    家そのものより、

    誰が責任を持つのか決まっていない状態

    です。

    代表者を決める。

    管理の方針を決める。

    連絡窓口を一本化する。

    それだけでも、

    問題は動き始めます。

    完璧な結論を急ぐ必要はありません。

    でも、

    何も決めないまま時間が過ぎることが、

    一番大きなリスクなのかもしれません。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    特定空き家法律ガイド

  • 固定資産税は6倍になる?

    空き家の話になると、

    必ずと言っていいほど耳にするのが、

    「特定空家になると固定資産税が6倍になる」

    という言葉です。

    少し大げさに聞こえるかもしれません。

    しかし、

    仕組みを知ると、

    決して根拠のない話ではないことが分かります。

    今回は、

    • なぜ税金が上がるのか
    • どの段階で影響が出るのか

    を、できるだけ分かりやすく整理してみます。

    なぜ住宅の土地は税金が安いのか

    住宅が建っている土地には、

    住宅用地の特例

    という制度があります。

    これは、

    人が住む場所を確保するため、

    住宅の税負担を軽くするために設けられている制度です。

    住宅用地については、

    固定資産税や都市計画税の課税標準が軽減される仕組みになっています。

    そのため、

    古い家でも、

    住宅が建っているだけで、

    税負担が比較的軽く抑えられているケースが少なくありません。

    空き家でも特例は受けられる

    結論から言うと、

    空き家であっても、

    原則として住宅用地の特例は適用されます。

    つまり、

    • 誰も住んでいない
    • 長年使っていない

    という理由だけで、

    すぐに固定資産税が上がるわけではありません。

    ここは、

    多くの人が安心するポイントでもあります。

    特例が外れるのは勧告を受けたとき

    問題になるのは、

    特定空家等として、

    勧告

    を受けた場合です。

    勧告を受けると、

    原則として、

    住宅用地の特例の適用対象外となります。

    ここが、

    税金の話の大きな分かれ目です。

    なぜ「6倍になる」と言われるのか

    住宅用地の特例が外れると、

    それまで受けていた税負担の軽減措置がなくなります。

    その結果、

    固定資産税が大幅に増えることがあります。

    小規模住宅用地では、

    特例によって課税標準が大きく軽減されているため、

    条件によっては、

    土地部分の固定資産税が最大で6倍程度になるケースもあります。

    これが、

    「固定資産税が6倍になる」

    と言われる理由です。

    ただし、

    すべての空き家が必ず6倍になるわけではありません。

    土地の面積や評価額、

    自治体の税率などによって、

    実際の増加額は異なります。

    いつから税金は上がるのか

    重要なのは、

    特定空家等に指定された時点で、

    すぐ税金が上がるわけではないという点です。

    影響が出るのは、

    勧告を受けた後です。

    一般的には、

    翌年度の固定資産税から、

    住宅用地特例が適用されなくなります。

    つまり、

    「特定空家等に指定された」

    「勧告を受けた」

    「翌年度から税負担が変わる」

    という流れになります。

    税金が上がる前にできること

    ここで覚えておきたいのは、

    税金が上がる前に、

    対応できる段階があるということです。

    • 助言や指導の段階で改善する
    • 勧告が出る前に管理を見直す
    • 草刈りや修繕など、最低限の管理を続ける

    こうした対応によって、

    住宅用地特例が外れる事態を避けられる可能性があります。

    逆に言えば、

    何もしないことが、

    最もお金のかかる選択になることもあるのです。

    税金の増加は「考えるきっかけ」でもある

    固定資産税が重くなると、

    多くの人が、

    「このまま持ち続けるべきか」

    を考え始めます。

    管理を続けるのか。

    売却するのか。

    解体するのか。

    税金の増加は、

    空き家を放置し続けるのではなく、

    これからどうするのかを考える、

    一つのきっかけなのかもしれません。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    特定空き家法律ガイド

  • 特定空家になるとどうなるのか

    特定空家等と判断されると、実際にどのような手続が進むのでしょうか。

    結論から言えば、

    いきなり解体されたり、

    突然高額な罰金を科されたりするわけではありません。

    行政の対応は、

    法律に基づいて段階的に進みます。

    最初は助言・指導から始まる

    最初に行われるのは、

    助言や指導です。

    たとえば、

    • 空き家の状態を改善してください
    • 草刈りや修繕を検討してください
    • 管理していることが分かるようにしてください

    といった内容です。

    この段階では、

    所有者に自主的な対応を促す意味合いが強く、

    すぐに罰則があるわけではありません。

    つまり、

    ここで対応できれば、

    問題が大きくなる前に止めることができます。

    改善されないと勧告に進む

    助言や指導を受けても状態が改善されない場合、

    次の段階として、

    勧告が行われることがあります。

    ここからは、

    状況が一段重くなります。

    特定空家等について勧告を受けると、

    原則として、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の適用対象外となります。

    住宅が建っている土地は、

    通常、住宅用地の特例によって固定資産税が軽減されています。

    しかし、

    勧告を受けると、

    その軽減措置が受けられなくなり、

    税負担が大きく増える可能性があります。

    この段階で初めて、

    金銭的な負担が目に見える形で表れてくるのです。

    なお、2023年の法改正により、

    管理不全空家等についても、

    勧告を受けると住宅用地特例の対象から外れることがあります。

    さらに進むと命令になる

    勧告を受けても改善されない場合、

    次に行われるのが命令です。

    命令は、

    法的な拘束力を持つ行政処分です。

    たとえば、

    • 期限までに改善すること
    • 修繕や除却など、具体的な対応を行うこと

    が正式な文書で示されます。

    この命令に従わない場合、

    過料の対象となることがあります。

    ここまで来ると、

    行政からの「お願い」ではなく、

    法的な義務の段階に入ったと考えるべきです。

    最終的には行政代執行もある

    命令にも従わず、

    危険な状態が解消されない場合、

    最終手段として行政代執行が行われることがあります。

    行政代執行とは、

    所有者に代わって行政が必要な措置を行い、

    その費用を所有者に請求する制度です。

    たとえば、

    危険な建物の解体などが行われる場合があります。

    重要なのは、

    その費用は所有者負担になる

    という点です。

    支払いに応じない場合には、

    財産の差押えなどにつながる可能性もあります。

    どこで対応するかが分かれ道

    ここまでの流れを見ると、

    特定空家等への対応は、

    一気に進むのではなく、

    段階を踏んで進むことが分かります。

    だからこそ大切なのは、

    早い段階で対応することです。

    助言や指導の段階。

    少なくとも勧告に至る前。

    この時点で対応できれば、

    税負担の増加や命令、行政代執行といった事態を避けられる可能性があります。

    逆に、

    行政からの連絡を無視したり、

    「そのうち何とかなる」と先送りにしたりすると、

    状況は確実に悪化していきます。

    行政は最初から処分を目的にしているわけではない

    空き家の問題で誤解されやすいのは、

    行政が最初から罰則や解体を目的に動いているわけではない、

    という点です。

    行政が求めているのは、

    危険な状態をなくすこと。

    近隣の生活環境を守ること。

    そして、

    所有者に自主的に対応してもらうことです。

    だからこそ、

    最初の連絡が来た段階で、

    話を聞き、

    何ができるかを考えることが大切です。

    空き家問題は、

    放置すればするほど選択肢が減っていきます。

    早めに向き合うことが、

    結果的に一番負担の少ない方法になるのです。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    特定空き家法律ガイド

  • 特定空家と判断される状態

    前回は、

    「空き家」と「特定空家等」は、まったく別の扱いであることを説明しました。

    では、

    具体的にどのような状態になると、

    「特定空家等」と判断されるのでしょうか。

    ここを知らないままにしていると、

    「まだ大丈夫だと思っていたのに、話が急に進んだ」

    ということにもなりかねません。

    今回は、行政が実際にどんな点を確認しているのかを見ていきます。

    行政は現場の状態を確認する

    特定空家等の判断は、

    書類だけで決まるものではありません。

    行政が重視するのは、

    現地で見て、

    周囲にどんな影響が出ているかです。

    • 建物の見た目はどうか
    • 危険はないか
    • 近所の生活に影響していないか

    つまり、

    近隣住民が感じる不安や迷惑と、

    行政が確認するポイントは、

    意外と近いのです。

    倒壊などの危険がないか

    最も重視されるのが、

    建物の安全性です。

    たとえば、

    • 建物が明らかに傾いている
    • 屋根材や外壁が剥がれ落ちそう
    • 雨漏りや腐食が進んでいる
    • 強風や地震で倒壊するおそれがある

    こうした状態は、

    「そのうち危ない」ではなく、すでに危険性が高い

    と判断されることがあります。

    特に、

    道路や隣家に被害が及ぶおそれがある場合は、

    行政の対応も早くなる傾向があります。

    衛生上の問題がないか

    次に確認されるのが、

    衛生面です。

    • ゴミが長期間放置されている
    • ネズミや猫などが住み着いている
    • 蚊やハエが大量に発生している
    • 悪臭が周囲に広がっている

    建物自体が壊れていなくても、

    衛生上の問題が大きければ、

    特定空家等と判断される可能性があります。

    近所の人にとって、

    毎日の生活に関わる問題だからです。

    景観を著しく損ねていないか

    「見た目だけで判断されるの?」

    と思うかもしれません。

    しかし、景観も特定空家等を判断する重要な要素の一つです。

    たとえば、

    • 雑草が人の背丈ほど伸びている
    • 庭木が道路にはみ出している
    • 外壁が剥がれたままになっている
    • 窓ガラスが割れ、そのまま放置されている

    このような状態が長く続くと、

    周囲から見て、

    「明らかに管理されていない家」

    という印象を与えるようになります。

    ただし、

    古い家であることや、

    見た目が多少悪いというだけで、

    直ちに特定空家等になるわけではありません。

    重要なのは、

    適切な管理が行われているかどうか

    です。

    景観を著しく損ね、

    周囲の生活環境に悪影響を及ぼしていると判断された場合には、

    行政が調査や指導を行うことがあります。

    防犯上の問題がないか

    防犯面も、

    重要なポイントです。

    • 窓や扉が壊れたまま
    • 誰でも自由に出入りできる
    • 不法侵入が繰り返されている
    • 放火の危険がある

    こうした状態は、

    周囲に大きな不安を与えます。

    実際には、

    近隣住民からの相談や通報をきっかけに、

    調査が始まるケースも少なくありません。

    行政が気にしているのは「管理」

    これらに共通する視点があります。

    それは、

    所有者がきちんと管理しているか

    ということです。

    • 定期的に草刈りをしているか
    • 危険箇所に最低限の対応をしているか
    • 行政からの連絡に応じているか

    完璧である必要はありません。

    しかし、

    何年も放置している

    連絡が取れない

    という状況になると、

    行政の評価は厳しくなります。

    管理不全空家等という段階もある

    2023年の法改正で、

    「管理不全空家等」

    という制度が新しく作られました。

    これは、

    まだ特定空家等ではないものの、

    このまま放置すると、

    将来的に特定空家等になるおそれがある空き家です。

    いわば、

    「まだ間に合う段階」

    とも言えるかもしれません。

    この時点で管理を見直せば、

    問題が大きくなる前に対応できる可能性があります。

    役所から連絡が来たら放置しない

    もし、

    • 近所から苦情が出ている
    • 役所から文書が届いた
    • 現地確認が行われている

    そんな状況になっていたら、

    一度立ち止まって考えてみる必要があります。

    空き家の問題は、

    建物が古いかどうかではなく、

    管理を続けられているかどうか。

    そして、

    早めに動けば、

    選択肢はまだ残されています。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    特定空き家法律ガイド

  • 空き家と特定空家は別物

    「空き家って、持っているだけで違法なんですか?」

    空き家の相談を受けると、よく聞かれる質問です。

    結論から言えば、

    空き家を所有しているだけで違法になることはありません。

    ただし、ここで安心しきってしまうと、あとで思わぬ問題に直面することがあります。

    なぜなら、法律の世界では、

    「空き家」と「特定空家等」は、まったく別の扱い

    だからです。

    まず「空き家」とは何か

    一般的に空き家と聞くと、

    「誰も住んでいない家」

    というイメージがあると思います。

    法律上も大きくは同じですが、

    居住その他の使用がされていない状態が続いている建物や、その敷地など

    を「空家等」としています。

    たとえば、

    • 相続したが、誰も住んでいない実家
    • 引っ越し後、そのまま使われていない家
    • 長い間利用されていない住宅

    こうしたものは、空家等に該当する可能性があります。

    そして重要なのは、

    空き家であるだけでは、違法ではない

    ということです。

    きちんと管理されていれば、空き家はあくまで私有財産です。

    管理が悪いと扱いが変わる

    ただし、空き家なら何でも同じというわけではありません。

    現在の法律では、

    • 空家等
    • 管理不全空家等
    • 特定空家等

    という段階があります。

    管理が十分に行われておらず、

    このまま放置すると特定空家等になるおそれがあるものは、

    「管理不全空家等」

    さらに、

    周囲の生活環境に著しい悪影響を及ぼしている、

    あるいはそのおそれがあるものは、

    「特定空家等」

    として扱われることがあります。

    つまり、

    問題になるのは、住んでいないことではなく、管理の状態なのです。

    特定空家等と判断される主な例

    特定空家等に該当するかどうかは、建物の状態を見て判断されます。

    代表的な例として、

    倒壊などの危険がある

    • 建物が傾いている
    • 屋根や外壁が崩れかけている
    • 地震や台風で倒壊するおそれがある

    人命に関わる危険がある場合は、特に重く見られます。

    衛生上の問題がある

    • ゴミが放置されている
    • 害虫や害獣が発生している
    • 悪臭が発生している

    近隣住民の生活環境に直接影響するケースです。

    景観を著しく損ねている

    • 雑草が伸び放題になっている
    • 外壁が剥がれたままになっている
    • 周囲から見て明らかに荒廃している

    危険ではなくても、周囲の景観を著しく損ねている場合は対象になることがあります。

    防犯上の問題がある

    • 不法侵入が繰り返されている
    • 不審者のたまり場になっている
    • 放火の危険がある

    こうした状態になると、行政が関与する可能性が高くなります。

    特定空家等は突然決まるわけではない

    「ある日突然、特定空家に指定される」

    そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

    しかし、多くの場合、

    • 近隣住民からの相談
    • 行政による現地確認
    • 所有者への連絡や助言・指導

    という段階を経て進んでいきます。

    それでも状態が改善されない場合には、

    勧告、

    さらに特定空家等では、

    命令や代執行へ進むこともあります。

    ただし、

    倒壊の危険が高い場合などは、

    手続が早く進むこともあります。

    連絡が来ているのに放置する。

    問題を先送りにする。

    これが、事態を悪化させる一番の原因です。

    一番大切なのは「管理」

    ここで覚えておいてほしいのは、

    特定空家等になるかどうかは、建物の価値や築年数ではなく、管理の状態で決まる

    ということです。

    築50年を超える古い家でも、

    定期的に掃除をし、

    草を刈り、

    必要な修繕をしていれば、

    問題にならないことは珍しくありません。

    逆に、

    比較的新しい家でも、

    何年も放置していれば、

    管理不全空家等や特定空家等になる可能性は十分にあります。

    空き家問題は、

    古い家の問題ではなく、

    「管理を続けられるかどうか」の問題

    なのかもしれません。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

    noteはこちら


    特定空き家法律ガイド

  • 空き家が問題になる理由

    「親の家が空いたままになっている」

    「相続はしたけれど、今は特に困っていない」

    「遠方にあるので、そのうち考えようと思っている」

    空き家について相談を受けると、このような話をよく耳にします。

    実際のところ、誰も住んでいない家を所有しているだけで、すぐに困るわけではありません。

    しかし現在、日本では管理されないまま放置された空き家が社会問題になっています。

    そして、その問題はある日突然、所有者自身の問題として目の前に現れることがあります。

    なぜ空き家が増えているのか

    空き家が増えている理由は、決して特別なものではありません。

    人口減少や高齢化が進み、持ち家を持つ人が高齢になりました。

    子どもは進学や就職で都市部へ移り、親が亡くなったあと、実家に戻らないケースも増えています。

    その結果、

    「親が亡くなったあと、そのまま残された家」

    が全国に増えているのです。

    住む予定はない。

    売る決断もできない。

    解体するほどでもない。

    そして、

    「とりあえずそのまま」

    になった家が、何年も放置されてしまう。

    これは決して珍しい話ではありません。

    人が住まなくなった家は思った以上に傷みやすい

    家は、人が住んでいることで維持されています。

    窓を開ける。

    掃除をする。

    庭の草を刈る。

    屋根や雨どいの異変に気づく。

    そんな日常の小さな手入れが、家を長持ちさせています。

    ところが空き家になると、

    • 換気されず湿気がこもる
    • 雑草が伸びる
    • 害虫や小動物が住みつく
    • 屋根や外壁が傷む
    • 台風や地震で被害が大きくなる

    といった問題が起こります。

    住んでいれば気づく小さな変化も、空き家では誰も気づきません。

    その結果、

    「ただの空き家」

    だった家が、

    「近所に迷惑をかける家」

    へと変わっていくことがあります。

    問題になるのは近所との関係

    空き家の状態が悪化すると、最初に影響を受けるのは近隣住民です。

    雑草が伸び放題になっている。

    ゴミが捨てられる。

    不審者が出入りしているように見える。

    倒壊や火災が心配になる。

    こうした状況が続けば、市役所や町役場に相談が寄せられるようになります。

    ここで初めて、

    「空き家は個人の問題では済まない」

    という現実に直面することになります。

    行政も動く時代になった

    以前は、空き家に対して行政が継続的に関与するための統一的な制度は十分ではありませんでした。

    そのため、

    危険な空き家があっても、

    周囲が困っていても、

    所有者に強く働きかけることが難しい。

    そんな状況が全国で続いていました。

    そこで制定されたのが、空き家対策のための法律です。

    現在では、管理が不十分な空き家は「管理不全空家等」、さらに周囲に著しい悪影響を及ぼすおそれがある場合は「特定空家等」として扱われることがあります。

    一定の状態を超えると、

    「そのうち考えよう」

    では済まなくなる時代になったのです。

    「まだ大丈夫」が一番危ない

    空き家問題の怖さは、

    気づかないうちに時間だけが過ぎていくことです。

    ある日、役所から通知が届く。

    近所から苦情が出ていると知らされる。

    管理や税金の話が、急に現実になる。

    多くの人が、

    「まさか自分の家が……」

    と思ったときには、すでに選択肢が限られていることも少なくありません。

    空き家の問題は、何かが起きてからではなく、

    何も起きていないうちに考える方が、

    はるかに多くの選択肢を持つことができます。

    もし実家や相続した家があるなら、

    「まだ大丈夫」

    ではなく、

    「今なら何ができるだろう」

    と、一度考えてみてください。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    特定空き家法律ガイド

  • 家の名義は誰ですか

    空き家の話になると、

    最初に確認しなければならないことがあります。

    それは、

    「その家の名義は誰ですか?」

    ということです。

    当たり前の質問のようですが、

    意外と答えられない人がいます。

    親の家だから親名義。

    そう思っていたら、実は祖父名義だった。

    祖父が亡くなり、

    父が住み続けていたので、

    誰も気にしていなかった。

    そんな話は珍しくありません。


    家は家族のものだった

    地方では昔から、

    「家は家族のもの」

    という感覚がありました。

    誰の名義かより、

    誰が住んでいるか。

    誰が守っているか。

    そちらの方が大事だったのです。

    ところが、空き家になると話が変わります。

    売りたい。

    解体したい。

    貸したい。

    そう思った時に、

    「名義が違いますね」

    という話になる。

    初めてそこで、

    家の所有者が誰なのかを調べ始めることになります。


    相続人は何人ですか

    祖父が亡くなった。

    父も亡くなった。

    子どもが何人もいる。

    その子どもにもさらに子どもがいる。

    そうなると、

    「相続人は何人ですか?」

    という話になります。

    本人もよく分からない。

    戸籍を集めて初めて分かる。

    そんなこともあります。

    最近は相続登記が義務化されました。

    これは大事な制度だと思います。

    ですが、制度ができたからといって、

    古い問題がすぐ解決するわけではありません。

    何十年も放置された名義。

    遠方に住む親族。

    疎遠になった兄弟。

    そうした問題は、

    法律だけでは解決できません。


    時間が経つほど難しくなる

    空き家問題というと、

    建物の老朽化や固定資産税が話題になります。

    しかし私は、

    名義の問題の方が厄介ではないかと思っています。

    建物は壊せます。

    草も刈れます。

    ですが、人間関係は簡単には整理できません。

    しかも困ったことに、

    名義の問題は時間が経つほど複雑になります。

    相続人は増える。

    連絡先は分からなくなる。

    話し合いも難しくなる。

    つまり、

    「そのうちやろう」

    が一番危ない。

    これは空き家の片付けと同じです。


    簡単な質問ほど難しい

    私が配達で見かける空き家の中にも、

    実際には誰の家なのか、

    はっきりしないものがあるのかもしれません。

    外から見れば、

    ただの古い家です。

    ですが、その裏には、

    何代にもわたる家族の歴史や事情が隠れている。

    そう思うと、

    空き家問題は単なる不動産の問題ではないのだと感じます。

    家の名義は誰ですか?

    簡単な質問です。

    でも、その答えがすぐに出てこない家は、

    地方にはまだたくさんあるような気がしています。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    地方の空き家と老後

  • そのうち考えよう

    空き家の問題は、ある日突然始まるわけではありません。

    多くの場合、

    「そのうち考えよう」

    から始まります。

    そして、それが一番厄介なのかもしれません。


    今すぐ困っていない

    親はまだ元気。

    家もまだ傷んでいない。

    急いで決める必要もない。

    そう思っているうちに時間が過ぎていきます。

    子どもにも生活があります。

    仕事がある。

    家庭がある。

    遠方に住んでいる。

    実家のことは気になっていても、目の前の生活で精一杯です。

    そのため、

    「また今度話そう」

    になります。

    親も子も、

    空き家にしたいわけではありません。

    放置したいわけでもありません。

    ただ、今すぐ困っていない。

    だから後回しになるのです。


    親も決められない

    子どもが後回しにするように、

    親もまた決断できないことがあります。

    まだ住める。

    思い出もある。

    いつか子どもが帰ってくるかもしれない。

    そう思うのは自然なことです。

    何十年も暮らしてきた家です。

    子どもが生まれ、

    学校へ通い、

    独立していった。

    家のあちこちに思い出があります。

    だから、

    「売りましょう」

    「解体しましょう」

    と簡単には言えません。

    家を手放すということは、

    人生の一部を手放すことでもあるからです。


    時間は待ってくれない

    ところが時間は待ってくれません。

    親は年を取ります。

    病気になることもあります。

    施設へ入ることもあります。

    そして、ある日突然、

    「今すぐ決めなければならない」

    という状況になることがあります。

    そうなると選択肢は少なくなります。

    家の中の片付け。

    売却の準備。

    相続の手続き。

    名義の確認。

    やることはたくさんあります。

    ですが、時間はありません。

    元気なうちならできたことが、

    元気でなくなってからは難しくなります。


    知っている人がいなくなる

    親に聞けば分かったことが、

    聞けなくなることもあります。

    書類の場所。

    土地の境界。

    家の修繕履歴。

    どこに何があるのか。

    長年住んでいた人しか知らないことは意外と多いものです。

    空き家問題というと、

    相続が発生してから始まるように思われがちです。

    しかし実際には、その前から始まっています。

    むしろ相続が発生した時には、

    すでに問題の半分は始まっていると言えるかもしれません。


    考えるのは早過ぎても困らない

    私は配達の仕事で地方を回っています。

    売り家の看板や空き家を見るたびに、

    「あの家も、最初は『そのうち考えよう』だったのかもしれない」

    と思うことがあります。

    誰も悪くない。

    放置したかったわけでもない。

    ただ時間だけが過ぎていく。

    それが空き家問題を難しくしているように感じます。

    空き家問題に完璧な解決策はありません。

    ですが、一つだけ言えることがあります。

    考えるのは早過ぎても困りません。

    遅過ぎることはあります。

    だからこそ、

    「まだ大丈夫」

    と思っている時こそ、

    一度家族で話してみる価値があるのではないでしょうか。


    ※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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    地方の空き家と老後