そのうち考えよう

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空き家の問題は、ある日突然始まるわけではありません。

多くの場合、

「そのうち考えよう」

から始まります。

そして、それが一番厄介なのかもしれません。


今すぐ困っていない

親はまだ元気。

家もまだ傷んでいない。

急いで決める必要もない。

そう思っているうちに時間が過ぎていきます。

子どもにも生活があります。

仕事がある。

家庭がある。

遠方に住んでいる。

実家のことは気になっていても、目の前の生活で精一杯です。

そのため、

「また今度話そう」

になります。

親も子も、

空き家にしたいわけではありません。

放置したいわけでもありません。

ただ、今すぐ困っていない。

だから後回しになるのです。


親も決められない

子どもが後回しにするように、

親もまた決断できないことがあります。

まだ住める。

思い出もある。

いつか子どもが帰ってくるかもしれない。

そう思うのは自然なことです。

何十年も暮らしてきた家です。

子どもが生まれ、

学校へ通い、

独立していった。

家のあちこちに思い出があります。

だから、

「売りましょう」

「解体しましょう」

と簡単には言えません。

家を手放すということは、

人生の一部を手放すことでもあるからです。


時間は待ってくれない

ところが時間は待ってくれません。

親は年を取ります。

病気になることもあります。

施設へ入ることもあります。

そして、ある日突然、

「今すぐ決めなければならない」

という状況になることがあります。

そうなると選択肢は少なくなります。

家の中の片付け。

売却の準備。

相続の手続き。

名義の確認。

やることはたくさんあります。

ですが、時間はありません。

元気なうちならできたことが、

元気でなくなってからは難しくなります。


知っている人がいなくなる

親に聞けば分かったことが、

聞けなくなることもあります。

書類の場所。

土地の境界。

家の修繕履歴。

どこに何があるのか。

長年住んでいた人しか知らないことは意外と多いものです。

空き家問題というと、

相続が発生してから始まるように思われがちです。

しかし実際には、その前から始まっています。

むしろ相続が発生した時には、

すでに問題の半分は始まっていると言えるかもしれません。


考えるのは早過ぎても困らない

私は配達の仕事で地方を回っています。

売り家の看板や空き家を見るたびに、

「あの家も、最初は『そのうち考えよう』だったのかもしれない」

と思うことがあります。

誰も悪くない。

放置したかったわけでもない。

ただ時間だけが過ぎていく。

それが空き家問題を難しくしているように感じます。

空き家問題に完璧な解決策はありません。

ですが、一つだけ言えることがあります。

考えるのは早過ぎても困りません。

遅過ぎることはあります。

だからこそ、

「まだ大丈夫」

と思っている時こそ、

一度家族で話してみる価値があるのではないでしょうか。


※この記事は、筆者がnoteに掲載した記事を加筆修正のうえ転載したものです。

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地方の空き家と老後

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