赤い瓦屋根と薄いピンク色の外壁がある地方の古い二階建て住宅

実家の名義を確認する

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実家は当然、親の名義になっている。

そう思っている人は多いのではないでしょうか。

しかし、実際に調べてみると、

「土地が祖父の名義のままだった。」

「建物は父名義だが、土地は母との共有だった。」

「家の前の私道だけ別の名義になっていた。」

といったことがあります。

実家をこれからどうするか考える前に、まず確認しておきたいのが、土地と建物の名義です。

固定資産税の通知だけでは分からないこともある

親の家に固定資産税の納税通知書が届いていれば、それを手掛かりに不動産を確認することができます。

ただし、それだけで十分とは限りません。

不動産の登記内容を確認するには、「登記事項証明書」を取得します。

登記事項証明書を見ると、

誰が所有者として登記されているのか。

共有なら、それぞれの持分はどれくらいなのか。

抵当権などが付いているのか。

といったことを確認できます。

土地と建物は、それぞれ別の不動産として登記されています。

私たちは普段、土地と建物をまとめて「実家」と考えていますが、相続手続きを進めるときには、土地と建物の両方を確認することが大切です。

親名義とは限らない

古くからある実家では、特に注意が必要です。

例えば、父親がずっと住んでいた家なので父親名義だと思っていたところ、土地は何十年も前に亡くなった祖父の名義のままだった、ということがあります。

こうなると、父親の相続だけを考えればよいとは限りません。

祖父が亡くなったときの相続関係までさかのぼって確認する必要が出てきます。

その後に相続人だった人が亡くなっていれば、さらにその人の相続人が関係してくることもあります。

長い間、相続登記をしないままにしていると、関係する人が増え、手続きが複雑になることがあります。

「昔からうちの家だから大丈夫」と考えず、まず登記上の名義を確認することが大切です。

共有名義にも注意する

実家が一人だけの名義とは限りません。

父と母が2分の1ずつ所有している。

親と祖父母が共有している。

兄弟姉妹で持分を持っている。

こうしたケースもあります。

共有になっている場合、実家全体を売却しようとしても、一人の判断だけで自由に進めることはできません。

将来、実家を売る、残す、貸すといった判断をするときにも、誰がどのくらいの持分を持っているのかが重要になります。

だからこそ、片付けや売却の話を始める前に、名義を把握しておく必要があります。

相続登記は義務になっている

現在は、相続登記をいつまでもそのままにしておくことはできません。

2024年4月1日から、相続登記が義務化されています。

原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する必要があります。

正当な理由がないのに申請義務を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

また、2024年4月1日より前に発生した相続についても、相続登記が済んでいなければ義務化の対象になります。

以前から相続したことを知っていた不動産については、原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。

「何十年も前の相続だから関係ない」というわけではありません。

古い実家ほど、一度登記を確認しておいた方がよいでしょう。

親が持っていた不動産を全部把握できないときは

実家の土地と建物は分かっていても、親がほかにも不動産を持っていたということがあります。

田畑や山林、小さな土地などについて、子どもが存在すら知らなかったというケースもあります。

そこで知っておきたいのが、2026年2月2日から始まった「所有不動産記録証明制度」です。

これは、亡くなった親などが登記上の所有者として記録されている不動産を一覧的に確認できる制度です。

これまで、全国にある不動産の中から「この人が所有している不動産をすべて調べる」ということは簡単ではありませんでした。

この制度が始まったことで、相続人が親名義の不動産を把握しやすくなり、相続登記の漏れを防ぐことにも役立ちます。

都会で暮らしていて、

「親が地方にどんな土地を持っていたのか分からない。」

という人にとっては、知っておきたい制度でしょう。

まずは「誰のものか」を確認する

実家を相続すると、

「売れるだろうか。」

「いくらくらいになるだろう。」

「解体した方がいいだろうか。」

と、どうしても先のことを考えてしまいます。

しかし、その前に確認すべきなのが、

「この土地と建物は、誰の名義になっているのか」

ということです。

登記を確認した結果、思っていたとおり親一人の名義なら、次の手続きを考えればよいでしょう。

ところが、祖父母名義の土地や共有名義が見つかれば、その後の進め方も変わってきます。

実家の相続では、思い込みで進めないことが大切です。

まず名義を確認する。

それが、実家のこれからを考えるための出発点になります。


次回予告

次回は、「誰が実家を相続するのか」について解説します。

兄弟姉妹がいる場合、実家を誰が引き継ぐのか。

「長男だから実家を相続する」と単純に決まるものではありません。

相続人を確認し、実家を誰が引き継ぐのかを考える際の基本を、分かりやすく見ていきます。

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